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つかえない器展 2

ひとつの品を見て
あ、これはあの人の作品だな。
あ、この形はきっとあの人だろう。など
その作家の作ったものであるとハッキリとわかる品々があります。

そこにどんなアレがあるのか興味がありましたが
そう…たいした疑問ではないな。と感じるようになり
私は考える事をやめました。

どうもこんばんは。motomanです。

何かきっかけがあったわけではありません。
ただ
自分の場合はどうだろうな。と振り返ってみたのがきっかけと言えばそうかもしれません。

私の場合のそれはフタもので
手間も掛かるし、どちらが欠けても成立しないのでアレですが
まあ一言で言っちゃうと
好きだから作っています。

何故 フタものに惹かれるのかを問われると…困ります。
それは今も変わりません。
一時、それに意味を持たさなければならない感に苛まれた事がありましたが
色々と考えて一巡した結果。

どーでもえーわー
好きなんやもーん
むしろ誰か…私の頭を解明してくださーい
というところに落ち着いたのですが、数あるフタもののアイテムの中
骨壷だけは自分の中にスッと落とせるものがありました。

つかえない器展 2_b0161715_2323759.jpg

完全に告知をアレしていて恐縮ですが
GALLERY 北野坂 にて開催中の
" つかえない器展 2 " に出品しています。

使えない = オブジェ
というアレではなく、あくまで " 器 " としてのベースがありながらも
" 使えない " という箇所をどこにどう落とし込むのか。というのがテーマで
面白そうだ。と参加した次第です。

普段からそういったものづくりをしている方ならばアレですが
私が作るものは、そのほとんどが器。
それに対してどういった信念や想いがある。というのはそっと置いておいて。
まあ…兎角
いつもと勝手が違っているわけです。


きっかけは何だったかすっかり忘れました。
夢で見た何かが元だった気がしますが、まるで思い出せません。
そんなこんなで…何を形にしようか。と散々 悩んだ結果
結局、好きなフタもの
その中でも " 骨壷 " に行き着きました。


今までも骨壷は作ってきましたし、買って下さった方々もいらっしゃいます。
その時の会話が、食器などを販売する際とは違い…ちょっと特殊で
傾向としては
私もそろそろ必要やしなあ。
あんた買っておいた方がええんちゃう ?
親に買っといたろか。
など様々ですが、どういったわけか
皆さん楽しそうに笑って見て下さいます。

幼子を抱いた若い夫婦の方が
私らは未だ必要ないね。と言うので
いや、生前から自分の骨壷を飾りとしてでも持っておいて
何かちょっとしたものを入れたり…使っておいたものに
最後に自分が入る。という、そういった考えもあるようですよ。と話すと
ああ。それ良いね。と
やはり笑顔で賛同して下さる方が多く
骨壷どうッスか ? と言い
失礼な奴だ。と怒られた事は不思議と…一度もありません。


これらの経験と
このグループ展のお話をきっかけにして改めて考えてみた結果、夢を見て

そういえば骨壷って
生前から、自分がどの骨壷に入りたいか。という選択は出来るし
自らが入るまでは別の用途で楽しめる品ではあるけれど
本来の用途を成そうとするならば…
" 使えない器 " だなァ。
との考えに至ったわけです。


" 自分で " という条件を加味する事となりますが、
使おうと思っても使えない器。
使いたくても使えない器。
それが骨壷です。


これが自分の中でスッと腑に落ちたので
これからも精力的に作っていきたいと思えるアイテムとなりました。

骨壷と言えば私。
私と言えば骨壷。
そういうのも悪くない。と思ったわけです。

それが叶えば
骨壷を見て私を連想される事となりますが、その事象自体をどう説明し得るのか。と考えましたが
それは結局のところ、冒頭に書いた通りの事で
いわば
単なるマクガフィンである。というところに落ち着くのも悪くない。と思います。
根底にある
私が好きで作っている。という芯さえ外れなければ
それで充分と思います

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by t_durden | 2014-04-04 00:30 | 展覧会 : Exhibition