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初窯

あ、どうも。
明けましたね。
今年もどうぞ宜しくお願い致します。

どうもこんにちは。motomanです。

年末から年始にかけての事でもひとつ。

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初窯に向け、ろくろを挽いていました。
初窯とは言え、自分の電気窯ではなく
毎年恒例の…正月は三が日から焼成開始の
普限窯での初窯です。


使った土は 3種類 で、これは和歌山で備前をやられている
平岡 仁さんから分けて頂いた備前の土です。

備前の土は一般的に " 弱い " と言われています。
その為、焚き方も独特で
低温でじっくりと、長時間かけて引っ張りながら焼くそうです。

では
それを伊賀焼の焚き方で焼いたらどうなるのだろう。と、単純な疑問を抱き
窯主である小山さんの了解も得られたので、作ってみた次第です。

テロンテロンにヘタるのか
ブクが出てえらい事になるのか…
果たして。

そらあんた無茶やで!と、仁さんに怒られてしまいそうな気がしなくもないです…

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続きまして。
九谷で作陶している半田くんが小山さんに分けた…九谷の磁土を
お前は貧乏でお金が無いから。という理由で…小山さんから私に渡ったという
流れのややこしい、曰くつきの磁土で…
こんな物を作りました。


私の記憶なので信憑性は無いですが、磁土 100% を挽いたのは初めてです。
2~3年前 に使っていたのは瀬戸の半磁土で
磁土 100% は兎角…難しいと聞くので、半磁で練習してからにしよう。と思った末のチョイスでした。

ドキドキしながら触った磁土でしたが、これがまた
滑らかも滑らか。
挽いていてこんなに楽しいものが存在したのか。と感動を覚えるほどで
普段使っている黒土もメッシュ 200目 を通しているので、かなりキメ細かい方ではありますが
やはり土物と磁土は別物でした。


聞いたところ
磁土は磁土でも、九谷の土は特に挽き易いそうです。

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と、あとはいつもの黒土です。
磁土を挽いた後に挽くと、妙な感じがしたものです。

今回は思うところがあり、いつものような薄造りではなく
かなり厚みを残して成形しました。
特に口造り。

また、サイズもまちまちで
焼き上がりをみて…はて、どれが良いのかな。という感じですね。

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削ったものをエントリィしました。
今回の目的は主に土のテストで、しかも素焼きをせずに
生の状態からの焼きを見たかったので、普限窯へと運び
窯詰めまでの数日間、乾燥させて頂く事となりました。

これが確か…クリスマスあたりの頃だったと思います。


黒土に備前の土を塗ったもの
備前に黒土を塗ったものもテストとしてエントリィしました。

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窯詰め位置は、一の間の棚は最上部の奥
胴義の棚上部の奥。と
両方に入れて頂きました。

なるべく灰のかからないところ。というのが共通点です。

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そして来る 1月2日 。
窯焚き開始です。

私の当番は 4日 と 6日 の夜から朝にかけて。でした。

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実は 6月 に個展の予定があり、それに向けて
薪焼成のテストをしたいな。と思っていたところで
しかも
年始の普限窯での窯焚きは、 10日間 焼成なので
これに耐えうる土ならば、一般的な
3~5日間 焼成なら耐えられる。というのが私のアレで
つまりは
土のテストとしてはもってこいだったので、俄然 焼き上がりが楽しみなわけです。

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4日 の当番では、燠を溜めては火床の品に降りかける。
6日 の当番では、灰の厚みを持たせる為
胴義の温度を 1200℃ ± 20℃ ほどでキープする事を求められました。

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ダンパーを調節し、良いペースが保てるようになると
あとはひたすら薪をくべ続けます。

ジミー・T氏 が窯焚きの時に毎回用意して下さる、非常に音質の良いスピーカーから流れる JAZZ を聴きながら…
あれやこれやと考えを巡らせます。

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炎を見ながらの…大人な時間ですね。

6月 までに参加できる薪窯焼成は…おそらくあと 4回 。
そのうちのひとつはちょっと特殊なアレなのでアレですが
残り 3回 で自分はどういった品を焼きたいのか
使う土はどういったもので、どういった焼きを目指すのか。

考えるべき事は多岐に渡り
期待感と不安感の間で揺れ動きます。

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また
釉ものもしっかりとやっていきたいので、そちらも頭から外すわけにはいきません。
新しい調合と、新たにやりたい白化粧に貫入釉…
頭ン中はフル回転です。

窯焚きの時、窯の横にある竹林から採った竹の筒でお酒を頂きます。
炎にかざすと底から透過した光がおもしろいモンです。

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窯場の電気を落とし、炎を見ては…ただただ思考。
器とは何であるか
自分にとって必要なものは何なのか。


6日 の当番でご一緒した、西念陶器研究所の二代目 侑甫さんと話し込んでいると
興味深い議論となりました。
また後日 改めて書きしたためようと思います。

初窯_b0161715_1044946.jpg

オチルさん作、オチル大明神と名付けられた…普限窯の守り神。
どっしりと腰を据え、焼きの行く末を見守っているように思えます。


そんなこんなで始まった 2013年 。
相変わらず体長が芳しくなく、窯詰めの前
カをつけるために。と腹いっぱい食ったうどんを 10分後 に口から放出するような私ですが
どんな一年になるんでしょうかね

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by t_durden | 2013-01-10 11:46 | 薪窯 : Wood-fired kiln