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窯傷

昼間というに
時々 肌寒く感じる日が増えてきましたねえ。

そろそろ…
天見が凍結しますよお。
あいつ死んだんちゃうか。と
motoman 死亡説が飛び交う季節がやってきますよお。

どうもこんばんは。motomanです。

喜楽窯 ・ 普限窯で薪窯というものを体験して以来
その魅力に取り憑かれつつあるようです。

DAN T"EA に出品するつもりで作った物、何点かありましたが
さすがに黒土を薪で焼いている人なぞ…そうそうおらず
まるでデータが無い状態だったので、イチかバチか。
ダメならダメで、次回 土の耐火性を増せば良いか。と、思い切りよく挑戦しました。

結果から言えば、黒土の耐火性はまあ…普通に OK でした。
白土をブレンドした半磁も OK でした。
近々、喜楽窯で窯焚きがありますが
DAN T"EA 在廊とかぶっていて、窯焚きが出来ない為
見送る事にしました。

窯傷_b0161715_17372946.jpg

窯の何処に品を置いておくかで
随分と焼きに違いが出るわけですが、私が最も興味のある部分は
熾に埋もれる部分でしょうか。


この品は喜楽窯で焼いたもので、熾に埋もれた部分が
とても面白い窯変となりました。

陶芸は化学だ。と言う方がいらっしゃります。
至極当然の事、あらゆる要素が絡まり合い
化学式で説明のつくところであるんでしょうけれど、窯の中の品を
どこまで人の手で操作出来るか。という部分に限度がある為
再現が難しく、また
想像だにしなかった品が穫れる事もあるわけで、そこが薪の面白さの原点であるとも言えそうです。

窯傷_b0161715_1740911.jpg

見込み部。

かなり薄造りであった為、また
窯の中でコネコネした為…ものすごくブ厚く釉がかかった事もあり ???
底が見事に溶けました。
溶け切ったのは初めてですが、コネコネした時に破損した痕なのかもしれません。
おそらくは後者でしょう。

窯傷_b0161715_17382967.jpg

花入れも…微塵も予想しなかった窯変っぷりを魅せてくれました。
引出すつもりで入れたのですが、熾に埋もれ過ぎて発見すら出来ず
まァ…熾に埋もれさせた状態で、この土がもつのかどうかも見たかったというアレもあり
そのままにしていたところ…熾に押され過ぎてコケてしまったようです。


キン肉マン ゼブラ を彷彿とさせる ( !? ) ものすごい窯変を魅せ
炎の勢いと言いますか
これぞ薪の面白さ。と言いますか。
電気窯で焼けば…ただただ白く焼き締まるだけの土に
こんな景色が出るものか。と…驚く変化が見られました。

ただ
自立させた状態で置いていた為、当然
コケてしまう事は予想外だったわけで
赤貝をあてておいて頂いたわけではありません。

もしこの品の
肩の傷が貝目で
足下にむき出しの白地が無ければ…ものすごく気に入った品になっていただろうな。と想像します。

このまま置いておいても仕方がないし、金で修繕しつつ…絵を描いてみようとは思っていますが
絵心が無い私に、うまく出来るかどうかはワカリマセン。

窯傷_b0161715_17384274.jpg

こういう状態で。
熾の中で寝ていたわけですね。

しかし
窯変って面白いなァ…
すごい色ですよね。

窯傷_b0161715_17384877.jpg

強還元で素地の色、ビードロの色がえらい事になり
肩が床に設置していた事もあり、コケてから釉の流れが変わり
わけのわからん動きを魅せていました。


薪焼成では
窯の中に薪を投げ込み、溜まった熾に埋もれさせれば今回のよう
熾に押されてしまう事などもあります。

未だ見学に行った事がありませんが、岸和田の西念陶器研究所では
長年 炉内天井部に厚く溜まったビードロが溶け、それが水滴のように品にポタリと落ち
面白い品が穫れた事があった。という話を聞いた事があります。


窯傷という言葉を
良し。と取るか悪し。と取るかは
当然、作り手や見る人が面白いと感じるか否かであり
避けられる窯傷は避けるべきで…まあ
私のように、薪焼成初心者にとっては
面白いなァ。面白いなァ。となってしまうのもどうかと思うところもあるわけですが。


今回 DAN T"EA に出品した、引出し花入は
念の為でしょう。
主催の一品更屋さんから
割れていますがこれで OK ですか ? という確認があり
OK です。
と胸を張って応えました。

数年後 ・ 十数年後の私ならば
鼻で笑い、赤面するのかもしれませんが
今を生きる私が、今穫れたこの品に胸を張るのは…
悪くない。と、そう思う次第であります

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by t_durden | 2012-10-30 00:19 | 陶芸 : CeramicArt