窯傷
昼間というに
時々 肌寒く感じる日が増えてきましたねえ。
そろそろ…
天見が凍結しますよお。
あいつ死んだんちゃうか。と
motoman 死亡説が飛び交う季節がやってきますよお。
どうもこんばんは。motomanです。
その魅力に取り憑かれつつあるようです。
DAN T"EA に出品するつもりで作った物、何点かありましたが
さすがに黒土を薪で焼いている人なぞ…そうそうおらず
まるでデータが無い状態だったので、イチかバチか。
ダメならダメで、次回 土の耐火性を増せば良いか。と、思い切りよく挑戦しました。
結果から言えば、黒土の耐火性はまあ…普通に OK でした。
白土をブレンドした半磁も OK でした。
近々、喜楽窯で窯焚きがありますが
DAN T"EA 在廊とかぶっていて、窯焚きが出来ない為
見送る事にしました。
窯の何処に品を置いておくかで
随分と焼きに違いが出るわけですが、私が最も興味のある部分は
熾に埋もれる部分でしょうか。
この品は喜楽窯で焼いたもので、熾に埋もれた部分が
とても面白い窯変となりました。
陶芸は化学だ。と言う方がいらっしゃります。
至極当然の事、あらゆる要素が絡まり合い
化学式で説明のつくところであるんでしょうけれど、窯の中の品を
どこまで人の手で操作出来るか。という部分に限度がある為
再現が難しく、また
想像だにしなかった品が穫れる事もあるわけで、そこが薪の面白さの原点であるとも言えそうです。
見込み部。
かなり薄造りであった為、また
窯の中でコネコネした為…ものすごくブ厚く釉がかかった事もあり ???
底が見事に溶けました。
溶け切ったのは初めてですが、コネコネした時に破損した痕なのかもしれません。
おそらくは後者でしょう。
花入れも…微塵も予想しなかった窯変っぷりを魅せてくれました。
引出すつもりで入れたのですが、熾に埋もれ過ぎて発見すら出来ず
まァ…熾に埋もれさせた状態で、この土がもつのかどうかも見たかったというアレもあり
そのままにしていたところ…熾に押され過ぎてコケてしまったようです。
キン肉マン ゼブラ を彷彿とさせる ( !? ) ものすごい窯変を魅せ
炎の勢いと言いますか
これぞ薪の面白さ。と言いますか。
電気窯で焼けば…ただただ白く焼き締まるだけの土に
こんな景色が出るものか。と…驚く変化が見られました。
ただ
自立させた状態で置いていた為、当然
コケてしまう事は予想外だったわけで
赤貝をあてておいて頂いたわけではありません。
もしこの品の
肩の傷が貝目で
足下にむき出しの白地が無ければ…ものすごく気に入った品になっていただろうな。と想像します。
このまま置いておいても仕方がないし、金で修繕しつつ…絵を描いてみようとは思っていますが
絵心が無い私に、うまく出来るかどうかはワカリマセン。
こういう状態で。
熾の中で寝ていたわけですね。
しかし
窯変って面白いなァ…
すごい色ですよね。
強還元で素地の色、ビードロの色がえらい事になり
肩が床に設置していた事もあり、コケてから釉の流れが変わり
わけのわからん動きを魅せていました。
薪焼成では
窯の中に薪を投げ込み、溜まった熾に埋もれさせれば今回のよう
熾に押されてしまう事などもあります。
未だ見学に行った事がありませんが、岸和田の西念陶器研究所では
長年 炉内天井部に厚く溜まったビードロが溶け、それが水滴のように品にポタリと落ち
面白い品が穫れた事があった。という話を聞いた事があります。
窯傷という言葉を
良し。と取るか悪し。と取るかは
当然、作り手や見る人が面白いと感じるか否かであり
避けられる窯傷は避けるべきで…まあ
私のように、薪焼成初心者にとっては
面白いなァ。面白いなァ。となってしまうのもどうかと思うところもあるわけですが。
今回 DAN T"EA に出品した、引出し花入は
念の為でしょう。
主催の一品更屋さんから
割れていますがこれで OK ですか ? という確認があり
OK です。
と胸を張って応えました。
数年後 ・ 十数年後の私ならば
鼻で笑い、赤面するのかもしれませんが
今を生きる私が、今穫れたこの品に胸を張るのは…
悪くない。と、そう思う次第であります
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by t_durden | 2012-10-30 00:19 | 陶芸 : CeramicArt