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なぞるのではなく、初めてのように

人はひとつの体を与えられ
名前という固有名詞を持ち
ひとりの人間としての人生を送る。

紆余曲折
その中で色々なものに触れ、変化を続け
果ては
死という事象に辿り着き、
あるいは…初めて
あるいは…ようやく
あるいは…再び。
生を得る。

あるいは…朽ちる。


始まりと終わりの 2つ の点を線で結んだものを人生と呼ぶとして
その線上
どの点でどのような価値を見出すのか。

見つけられたならば
どこまでその価値を高められるか
どこまでその価値を深められるか。

その価値観が
その人の人生の意味であり
根源的な生の価値に昇華すると言える。


価値が価値を生む事。
それは
この世で最も美しいもののひとつに数えられるように思う。

どうもこんばんは。motomanです。

白い器に惹かれ、半磁土ばかりを使っていた時期があり
今 私は主に黒土
( ふるい 200目 を通してある土なので、黒泥と言った方が近いかもしれません )
を使っています。


時々 ちょっと昔の事を思い出し、懐かしさに任せて使ってみたり
他の作家さん方の作品からインスピレーションを受け、また触ってみたくなったりで
半磁土を使う事が増えてきました。

黒土もかなりキメ細かいので、半磁土と似た感覚でろくろを挽く必要があり
まァ…扱いが難しいと言いますか
融通の利かない土だぜ。なんて思いながらろくろに向かっているわけですが。
( 私の技術不足なんじゃあないの。という部分は棚に上げておいて )

なぞるのではなく、初めてのように_b0161715_2241792.jpg

そんな中、喜楽窯や普限窯で薪焼成に出会い
今まで深く考えた事の無かった、土という素材を見直す事となり
うん。
とりあえず…色々な土を触ってみたい欲が強くなってきた昨今です。

そういった経緯があり
( 細部まで全然詰められていませんが )
やってみたい事があったりで
五斗蒔を使ってみる事にしました。

なぞるのではなく、初めてのように_b0161715_2242418.jpg


もっと荒いイメージがあったのですが、意外にキメ細かいモンですね。
半磁 → 黒土 と、
どちらかと言えば…似たタイプの土ばかりを使ってきた私にとって
土ものがとても新鮮で、また
コシがあると言いますか…粘ると言いますか。

黒土なら簡単に ヘニャっ てしまうカを加えてもしっかりと立つので
結構 強引に挽けるところが、めちゃ楽しいです。
攻めてる感がアリアリで。

土ものってこんなに楽しかったんですね……

夢中で挽き続けられる気がします。


また、形も
初心に帰らなければならない気がして
スッキリした形をやっては
自分が美しいと思う形をやって…の繰り返しを続ける事にしました。


始まりから終わりに向かって生きるひとつの体が
初心を思い出し、今までをなぞるように形づくり
それが上手くいくか否かで一喜一憂するのではなく
毎回 その瞬間が初めて体験する事であるかのように、形をつくるのだから
奇妙な事のようにも感じますが、ないものねだりをするのも
人間の犯す大罪の一つに数えられるくらいだから
そんなモンなんだろうなァ。なんて納得したりもします。

なぞるのではなく、初めてのように_b0161715_224309.jpg

体長 15cm ほどのでっけーナメクジが、乾燥中の品を這い
ヌメヌメ感たっぷりの足跡を遺していました。


ナメクジは歩くだけでヌメヌメが出続けているわけで。
始まりと終わりが、より解り易いという点に於いて
人間より優れているな。と思いました。
独りで子作り出来るしね ^^


何の話やねん

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by t_durden | 2012-09-26 03:26 | 陶芸 : CeramicArt