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極渋

尻に点いた火が背中を伝い、うなじのあたりでチリチリと毛髪を燃やそうかとしております。

どうもこんばんは。motomanです。

今日は朝から喜楽歩へ行き、穴窯で焼成をお願いする品を置いてきました。
今週後半から窯焚きです。

その後、鳥さんと一緒に
北野田で開催中の
井倉幸太郎 陶展 ~白磁、青白磁、影青~
を観に行きました。

ご本人の在廊日ではなかったので、写真は控えておきました。
ギャラリー百音さんのリンクを貼る事で解決。
という事でここはひとつ。

DM の写真に使われていた花器が、私の好みパッチシで
かっちょ良かったです。
最近 私も高台の幅と高さ、腰から口縁にかけてのアウトラインをあれやこれやとする事で
浮遊感のある形を模索してみたりした事がありましたが
それに通ずるヒントを頂いたような気がしました。

あと
マニアックな視点でアレですが
サインの " 幸 " の一文字の彫り方が
なんかこう…グッとくるものがありました。


しかし
青磁 ・ 白磁は良いですねえ。
やってみたい。と思っていながら黒土との出会いがあり
そっちにいっちゃったままで…未だ手をつけれていません。

落ち着いたら取り組んでみようと思いマス。



その後、新町は wad へ向かい
平岡 仁 展 ~Masashi Hiraoka Exhibition~
を観に行きました。

私の目を最初に奪ったのはこの品で、 FB にも書きましたが
大人の男。という印象を受けましたね。

肩に力が入っていないと言いますか
すっくと立っているのですが、どこか余裕を感じさせると言いますか。
大人の為の THE 湯呑み である。
と、品に自己紹介された感がありました。

極渋_b0161715_1402446.jpg

次に私の好みドストライクだったのがこの品です。
板皿ですね。

私が勝手に受けている印象なので恐縮ですが、仁さんの作品は
フォルムは柔らかいのに、芯がある。という意味で…バシッと締まっている。
という一貫性があるように思います。

人となりが存分に表れているんでしょうかねえ。
雰囲気は柔らかいけれど、考えがはっきりとしていて
意外に頑固そうな ?? 作り手のこだわりたい部分と
カを抜いて楽しんでいる部分とのバランスが
品にそのまま出ている気がします。

極渋_b0161715_1435290.jpg

濡らすと色味が深くなって良いんですよ。と
その場で実際に見せて下さいました。

右側の濡れた部分に、さらに多くの色と表情が見て取れます。
右手前の黒い部分なんて…もはや宇宙ですよ。
宇宙。

私に財力というパワーが備わっていれば…即買いだったのですが
貧乏神に取り憑かれている私が、どうしようかと迷っている間に
現地で待ち合わせした、私の作業場 唯一の生徒さんである Rさん に買われてしまいました…

F○ck

いえ、すごくお手頃なお値段なんですけれど
私の財力が貧弱過ぎてアレだった。という話です。

F○ck

極渋_b0161715_144581.jpg

こんなでけー皿が…薪窯でこれだけ歪まぬまま焼き上げられるものなのか。と思えるほど
歪みの無い、それはそれは大きな板皿もありました。

隅に見られるコゲの痕が良いですね。

極渋_b0161715_1441330.jpg

ろくろはもちろん、タタラもされるし手びねりもされます。

私も最近、手びねりをしてみたのですが
手びねりならではの良さ。というものがどうも掴めません。
近々販売してみるので、受け入れられる品なのかどうかは
まあ その時にわかるかもしれませんが
まだまだわかってねえなあ。と感じます。

極渋_b0161715_1442142.jpg

以前 陶ISM に参加した時に、まじまじと手にとって仁さんの品を見せてもらったのが初で
その時に私の目を惹いたのが、肌が微妙にメタリック調に光るものでした。
躯体よりも鉄分の強い共土を塗布して焼成したものだそうで
それはそれはかっちょ良い品でした。

今回もそれに近しい品がありました。
還元度合いによってこれだけ違いがあります。と
幾つか並べて見せて頂いたのですが、不思議なモンですねえ。
微妙な焼きの違いでこれだけ変化が生まれるものなのか。と感心しました。


荒く爆ぜた部分をゴリゴリと研磨し、この肌合いが出るようです。
写真では伝えきれませんが、ビビッとシビれた一品でした。

極渋_b0161715_1443010.jpg

wad に来る度に恒例になってきた気がしますが
せっかくなので…記念撮影しました。

仁さんが主役なので真ん中にどうぞ…と言いつつ
脇役が 2人 して一歩前に出てしまった。という
なんとも残念な 1枚 でした。

極渋_b0161715_1444516.jpg

wad へ来たからには、お茶せずにはおれません。
オーナー小林さん自らが茶を点てて下さいます。

前に頂いた抹茶ラテが美味しかったので、次来た時は別な物をたのもうと思ってはおったのですが
結局…ラテってしまいました。

次こそは。

極渋_b0161715_1445234.jpg

鳥さんが注文したのは氷です。

まさかまさかですよ。
こんなにも荒々しい…器で出てくるとは思ってもいませんでした。
しかもこれが景色としてしっくりきているものだから。
扱う人のセンスってすごいもんだなあ。なんて感心しました。

作り手としても、こういう使い方をされると嬉しいですよね。

極渋_b0161715_1445790.jpg

その後
夕方に帰宅し、すぐさま作業場へ行き
ひたすらろくろ挽いてました。


磁器ものと薪焼成ものと
一般的には対極視されるものを観て、手に取り
それぞれに違った印象を持つも
自分も自分なりの美というものをストイックに追わないとな。と
良い刺激を受けた一日でした。

観たものがあまりに渋かったので
勝手に若干の敗北感を抱くあたりが
私のネガティブ

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by t_durden | 2012-09-25 03:13 | 雑記 : Diary