止水
三寒四温。
今日は随分と暖かくなりました。
明日の日中は15度を越えるそうです。
春の足音が聞こえてきましたね。
ショコタン風に言えば、
ギザ待ち遠しす。
って感じです。
どうもこんにちは。motomanです。
試作・習作がほとんどで…完成度のほどはいかに?
というのが大きなテーマとなった窯出しでしたが。
150℃をきり、徐々に窯の蓋を開き…
チラリチラリと覗き込んだり、ウロウロしながら温度が下がりきるのを待ち…
はやる気持ちを抑え、ようやく窯出しできました。

今回の窯で、計4つ焼き上げました。
かたちはそれぞれバラバラで、
2つは口縁に半艶消し黒を塗布したもの、うち2つは自作釉薬を塗布したもの。
さらにその2つの1つずつの胴を、透明とタルク透明に掛け分け、
景色の違いを見る事としました。

早速ジェノベーゼを作ってのせてみました^^;
ペペロンチーノの方が合うかもしれません。

・キズやキレがないか
・釉薬の発色具合はどうか
・彫り込んだ波模様が生きているか
・今回初めての挑戦となる、口縁に置いた黒味がどう影響するか
・大鉢自体の形状はどうか
・全体的な世界観はどうか
などなど、多岐に渡りますが…
そのほぼ全てにおいて"合格"とする事ができました。
まだまだ改善の余地はありますが、現時点での私から出たモノとしては満足しています。
以前、堺での2人展でこの原点となる大鉢を発表しました→夢庵 折り返し
それをご購入いただいたのが、スキューバ・ダイビングをしている方で
水中から見上げた水面を連想した
という言葉をいただきました。
まさにそれが私の表現したかったところで、制作者として感無量でした。
あれから…はや半年。
削りを用いて波模様を彫り込む私のかたちはここまで来ました。
自己評価ではありますが、これは昇華と言えるでしょう。
今回のものは、
より深くから見た水面をイメージしました。
私のようなつくり手は、
ものを気に入ってくださった人の手に作品を送り出し
それを超えるものを生み出す事こそが、その人に対する礼儀であり、責任であり
ものの成長、ひいては私自身の成長を共に喜んでいただけるような…
そういう関係であるべきだと思っています。
原点となるあの大鉢を手にしていただいた方に、是非これを見てもらいたい。
3月になれば案内状を送ります。
またお目にかかる事ができたなら、嬉しく思います。

私の背中にまたひとつ。
これを超えるものを生み出す責任がのしかかりました。
具体的に、どこをどう改善すべきか。
何を以って、更なる昇華が成されたと言えるのか。
その芯はまだ見えていません。
とりあえず手を動かすところから。
今日は直径48cmの大鉢を挽いて来ました。
予想では50cmあたりまでいけるとは思うのですが…
窯に入らなければ意味プーなので、気持ち2cm小さく止めておきました。
おそらくこの大きさが私の窯の限界です。
65cmくらいの大鉢を挽いてみたいのですが…ああ。
もっと大きな窯が欲しいな。と思う今日この頃です。
"止水"と名付けたこの大鉢。
人を魅了する事ができるでしょうか。
私の裡にある世界観に、共感する人が現れるでしょうか。
3月の公募展が楽しみです
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by t_durden | 2010-02-08 15:18 | 陶芸 : CeramicArt