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止水

三寒四温。
今日は随分と暖かくなりました。
明日の日中は15度を越えるそうです。
春の足音が聞こえてきましたね。
ショコタン風に言えば、
ギザ待ち遠しす。
って感じです。

どうもこんにちは。motomanです。

土曜日の午前中に窯出ししました。
試作・習作がほとんどで…完成度のほどはいかに?
というのが大きなテーマとなった窯出しでしたが。

150℃をきり、徐々に窯の蓋を開き…
チラリチラリと覗き込んだり、ウロウロしながら温度が下がりきるのを待ち…
はやる気持ちを抑え、ようやく窯出しできました。
止水_b0161715_14254993.jpg
3月に地元で開催される公募展に出品する大鉢です。
今回の窯で、計4つ焼き上げました。
かたちはそれぞれバラバラで、
2つは口縁に半艶消し黒を塗布したもの、うち2つは自作釉薬を塗布したもの。
さらにその2つの1つずつの胴を、透明とタルク透明に掛け分け、
景色の違いを見る事としました。
止水_b0161715_1426265.jpg
つい嬉しくなり…
早速ジェノベーゼを作ってのせてみました^^;

ペペロンチーノの方が合うかもしれません。
止水_b0161715_14261215.jpg
制作者としての見所は…
・キズやキレがないか
・釉薬の発色具合はどうか
・彫り込んだ波模様が生きているか
・今回初めての挑戦となる、口縁に置いた黒味がどう影響するか
・大鉢自体の形状はどうか
・全体的な世界観はどうか
などなど、多岐に渡りますが…

そのほぼ全てにおいて"合格"とする事ができました。
まだまだ改善の余地はありますが、現時点での私から出たモノとしては満足しています。

以前、堺での2人展でこの原点となる大鉢を発表しました→夢庵 折り返し
それをご購入いただいたのが、スキューバ・ダイビングをしている方で
水中から見上げた水面を連想した
という言葉をいただきました。
まさにそれが私の表現したかったところで、制作者として感無量でした。

あれから…はや半年。
削りを用いて波模様を彫り込む私のかたちはここまで来ました。
自己評価ではありますが、これは昇華と言えるでしょう。

今回のものは、
より深くから見た水面をイメージしました。

私のようなつくり手は、
ものを気に入ってくださった人の手に作品を送り出し
それを超えるものを生み出す事こそが、その人に対する礼儀であり、責任であり
ものの成長、ひいては私自身の成長を共に喜んでいただけるような…
そういう関係であるべきだと思っています。

原点となるあの大鉢を手にしていただいた方に、是非これを見てもらいたい。
3月になれば案内状を送ります。
またお目にかかる事ができたなら、嬉しく思います。
止水_b0161715_14263996.jpg
そして…

私の背中にまたひとつ。
これを超えるものを生み出す責任がのしかかりました。

具体的に、どこをどう改善すべきか。
何を以って、更なる昇華が成されたと言えるのか。
その芯はまだ見えていません。

とりあえず手を動かすところから。
今日は直径48cmの大鉢を挽いて来ました。
予想では50cmあたりまでいけるとは思うのですが…
窯に入らなければ意味プーなので、気持ち2cm小さく止めておきました。
おそらくこの大きさが私の窯の限界です。

65cmくらいの大鉢を挽いてみたいのですが…ああ。
もっと大きな窯が欲しいな。と思う今日この頃です。


"止水"と名付けたこの大鉢。
人を魅了する事ができるでしょうか。
私の裡にある世界観に、共感する人が現れるでしょうか。

3月の公募展が楽しみです

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by t_durden | 2010-02-08 15:18 | 陶芸 : CeramicArt