海南窯 ( 仮 ) 窯出し
なんで今日 閉館しとんねん!クソ!駐車場は空いているのに!
と、でっけー声で悪態をついている人。
自動車専用道路の脇にママチャリを停め
道に飛び出して両手を大きく振り、車が来る度に喜色満面で…はしゃいで逃げている人。
ふとももとふとももがフレンチ ・ キスしそうなほど、すぐ隣で
下敷きのような板でバタバタと…私の顔面に向けて風を送り続ける人。
春ですね。
車内から見かけた
志村けん扮する変なおじさんに激似な人が
もっともまともでした。
どうもこんばんは。motomanです。
" まとも " じゃあないから…その逆で " もとま " になりました。
というのはウソですし、アレなので置いておき。
先日の海南窯 ( 仮 ) の窯出しの様子でも。
窯出しの日。
先日の、大阪は天満宮で販売をした際に知り合った maayaさん
私の唯一の生徒さんである にえっつさん と相乗りで
和歌山へと向かいました。
一番乗りは和田山くんで、窯を見てみると…焚き口の上部が少し空いていました。
抜け駆けしましたね。と詰問すると
いえ、ガスを抜いているだけです。と凌がれましたが
絶対に見たと確信しています。
その後すぐに五福さんもいらっしゃり。
委託のプレッシャがある為…早く窯出ししたいような
窯出しするのが怖いような…
ちょ、ちょっとだけ見てみようか。的な覗き方をしています。
ビビりながら焚き口を崩し、ぱあっと開けました。
74時間焼成 の結果が出る時が来ました。
ビードロで棚板やつくが固着している可能性が高い為、棚崩れがあっても良いよう
品を横から抜いていきます。
委託して下さった方々もお見えになり
バケツリレーのごとく外に運び出しては、窯に入っていた通りに並べていきます。
手前が火床。
今回は棚を 4列 組みました。
煙道前も入れると…全部で 5列 あった事になります。
窯詰めの時 に記したよう、 1列目 にはステップが無く
水平が出るようにカットしたつくを斜面に立てた上に棚組みをしたので
焼成中に崩れる可能性が高かった為、今回は和田山くんと五福さんと私の品を主に詰めました。
1列目 上部から。
1列目 続き。
ここももちろん、私達の品が主です。
棚崩れがなくて良かったですね。
2列目 。
壁際に立てかけた板皿を出し、棚の品も出していきました。
2列目 続き。
このあたりから委託の品が出てきます。
無事に焼けていて…ほっと一息。
ほんっと一息。
3列目 。
窯の天井の崩落も無く
棚崩れも無く
委託の品も焼けていました。
となると…残すは
外に出して陽の下でじっくりと観てみたい。という想いのみで
窯出しペースも上がるってモンです。
3列目 続き。
様々な品が出てきました。
委託の品は思い思いの形が多い為、窯出しも楽しいですね。
絵付け ・ 練り込み ・ 鎬 ・ 手捻りの急須などなど。
3列目 続き。
委託の大きな品や、和田山くんの半磁ものなど。
4列目 。
個人的にはここへ入れた朱泥が最も楽しみでした。
私好みの…ギラッとした金属的な質感は良かったのですが
薄造りの為か…目土の立て方が下手だった為か
はたまた
温度がしっかりと上がり過ぎていたのか。
歪みがなかなか激しく、ほとんどの品が踊っていました。
次はもっと上手く。
陶芸家が陶芸をやめられない理屈です。
5列目 ( 煙突下 ) 。
委託いただいた明り取りが主です。
赤土の品が焼き過ぎず焼き足らなくもなく。
良い感じに穫れたと思います。
皆それぞれ品を探しては手に取ります。
和田山くんと私が非常に疲れた様子なのは…ほっとした。という事を
余す所なく体現した結果です。
何がイケてなくて次はどう改善すべきなのか
視線は先にありますが…取り敢えず無事に終えました。
最も恐れていたのが
天井の崩落でしたが、一応 無事でした。
ザラザラしていた内壁にビードロがかかり、テカテカに変わりました。
これで若干でも強度が増してくれれば良いのですが…どうなのでしょう。
烈しい炎が走った痕が見て取れます。
使ってくれて良い。と言ってくれてる窯が和歌山にある。という五福さん情報がきっかけで
和田山くんと私はその話に飛びついたものの。
8年 も放置されていた窯の状態は酷く荒れていて
本当にこの窯を焚ける日が来るのだろうか。と、拭い切れない不安を持ちつつの整備に始まり
沢山の助けを借りての窯焚きでした。
貧乏な私達の為、焼きがどうなるか全く予想も出来ない窯に
品を委託して下さった方々を始め
焼成に関する道具類を貸して下さった上
足繁く通ってアドヴァイス頂いた J氏 。
様子を見に来て下さった小山さん。
焚きを手伝って下さった皆さん。
窯詰め窯出し ・ 清掃を手伝って下さった皆さん。
そして
窯焚きの機会を与えて下さったご主人。
大変良い勉強をさせて頂きました。
これからもお世話になります。
窯焚きの時、烈しく燃え上がった熱が品を焼き上げ
私達の情熱を傾けた部分 ・ 至らなかった部分を赤く照らし
渾然一体とした結果のみを吐き出します。
あれだけ烈しかった炎は姿を消し
窯はまた静かに
次に火が入る時を待っているかのようです。
その寡黙さは
挑発的であるようにも思えるし
反省 ・ 改善を促す猶予を与えているようにも思えます。
多くの事を学びました。
次はどういった試みで
どのようなものを狙うのか。
それに必要なものは何であるか。
難しい事のように思えますが
道筋を正面から観るのか…逆から観るのかの差でしかない。と考えれば…
バガボンドの沢庵宗彭が言っていた
" 全ては天によって決められていて
それが故に自由だ "
という言葉の意味が
理解出来た気がしました。
穫れた品は後日、改めて紹介してみようと思います。
どうぞお楽しみに
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by t_durden | 2013-04-07 23:35 | 薪窯 : Wood-fired kiln