還元電気窯
気温と体感温度って別ものですねえ。
気温が低くても、陽が射していると暖かく感じられるし
逆もまた然りで。
抜けるような青空が懐かしいです。
どうもこんばんは。motomanです。
小山さんのご紹介で、私の自宅からそう遠くないところで作陶されている
Kさん の窯を見せて頂くべく、車を走らせました。
今ではもう、そう珍しくはないのかもしれませんが
還元焼成を得意とする電気窯です。
以前 ネットだか雑誌だかで見た事はあったのですが、実物は初めてでした。
これが Kさん の窯です。
まあ…一見 普通の電気窯です。
が
最たる特徴はやはり、内側の造りです。
電熱線が覆われている事で、還元をかけても
熱線が痛まない。と言うのです。
Kさん の窯も、焼成中に炭や薪を放り込んだりで
あたかも…灯油窯の内部のようになっていますが
歴とした電気窯です。
下部にはガスを送り込む為の穴もついていますが
Kさん は薪と炭にこだわっておられるようで、結局
ガスの還元はされていない。との事でした。
上蓋式で、 5つ の穴が開いています。
焼成中にここから薪や炭などを投下するようなのですが
意外にも ??
碍子の外側も内側もとてもキレイでした。
煤が焼き切れちゃうんでしょうかね。
制御盤は
温度計が上と底部に 2つ 設置されているようで
別の温度がしっかりと表示されるそうです。
もちろん、熱線と同様に温度計自体もカバーされているのですが
それで温度が計れるってのが…ナゾですね。
熱線を保護しながら、断熱する事もない炉材って
一体何なんですかね ???
今度ジミー ・ T氏に訊いてみましょう。
以下、この窯で焼成された
Kさん の品々です。
私はいつも電気窯を使っている為、
おい。それは違うぜ ! という点もあろうかとは思いますが
電気窯の特長は、再現性が高い事
灯油窯の特長は、還元焼成に特化している事
ガス窯の特長は、電気と灯油の中間の性質を持っている事
だと思っています。
薪焼成に関しては、私の中で特殊な位置にカテゴライズされていて
特殊というよりも
他のどんな窯とも類似しない、独立した性質を持っている。
と感じます。
炎が走り
品が焼けるのと、電気窯のように
カロリィを与えて焼く。というのは別もので
もちろん、穴窯や登りに関しても
輻射熱が影響しているわけですから、厳密な意味では言い切れないものの
まあ…そう表現しても語弊はないかと思います。
そういった意味でこの電気窯はとても興味深く
温度計で炉内を計っているわけですから
焼きが甘い。という事はありえません。
それに加え、焼成中に炭や薪を投入する事で
ビードロやコゲなどで表情をつける事が出来るので
電気窯の特長である、再現性の高い点と
薪焼成の面白い点を併せ持った窯である。と言えそうです。
薪で焼成するような、ドロドロの濃いビードロを狙うのは無理でしょうけれど
お話を伺うと、そもそもこの窯は
備前焼が出来る電気窯。というのがウリなようで
いわば
備前焼の焼成テストと言いますか
そういう焼きに特化した窯だそうで。
備前の窯は大きく、一度焚く為には大量に焼成しなければならないし
釉ものを電気窯で焚くのとは違い、その手間も労力も大きく違います。
焼き方研究用の窯ってところなのでしょうね。
メーカーを見てみると、岡山の会社でした。
ここまでしっかりと焼けると面白そうですね。
この窯で試してみたい焼きを思いついたんですけれど…
お借り出来る機会があるでしょうか !
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by t_durden | 2013-01-31 01:09 | 陶芸 : CeramicArt