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金継ぎ

昨日は喜楽歩の臨時の仕事で
GW のイベントとして、クロスモールという…
シネコンと、小さな規模のモールが合体したような所で
出張ろくろ教室をやっていました。

人前でろくろを挽くって…照れくさいモンだ。と思っていましたが
ここへきて慣れてしまったようです。

相変わらず恥ずかしさは残りますけれど、ネ。

どうもおはようございます。motomanです。

金継ぎ_b0161715_21584631.jpg
さて。
普限窯にて、 7.5日 かけて焼いたこの花器 ( 当初は抹茶碗として作ったわけですけれど ^^; ) 。
ようやく完成しました。

正面から見た画です。
金継ぎ_b0161715_21585523.jpg
裏側。


ハマ磨りか上絵かサンドブラスト…あたりが
焼成後に出来る事。と思っていますが、金継ぎがあるじゃないか。と思い立ち
成形中に " あえて " 躯体を破っておきました。

技術不足でキレたわけではありませんよ。
決して。
たぶん。
金継ぎ_b0161715_21591345.jpg
ほんまモンの金継ぎは
漆と金粉を使うようですが、そんなアレもないので
今回は簡易的な金継ぎです。
接着剤と真鍮を使いました。


私の作業場によく遊びに来る稀有な人が居まして。
その方が、 wad に金継ぎ講習を受けに行ったので
教えてもらった次第です。

ほんとは私も行くつもりだったのですが、 陶ISM と日程がかぶってしまったのでアレでした。


とりあえず
接着剤の硬化時間が非常に短いので、手早く作業できるように。と
金継ぎをする箇所に付箋を貼ってみました。
金継ぎ_b0161715_21593541.jpg
5分 で硬化するようです。
2液混合のエポキシ系です。
金継ぎ_b0161715_21594149.jpg
同量を混ぜると反応し、接着剤としての効果を発揮するタイプですね。
金継ぎ_b0161715_2202119.jpg
小麦粉を目分量で同量混ぜるらしいです。
理由は何か忘れました。
理由を聞いたかどうかすら危ういです。
金継ぎ_b0161715_220445.jpg
これをねるねるねーるし、破れ ( させ ) た箇所に塗布します。

出オチ気味でナンですが、結果から見ると
塗り過ぎた感が否めません。
金継ぎ_b0161715_2201113.jpg
内側にも塗布しました。

作業をしている私って、こんな顔面しているんですね。
金継ぎ_b0161715_2204713.jpg
さて。
完全に硬化するまでに 15分 ほどかかるようなので
もひとつ金継ぎしたかった物を取り出しました。


先日の 陶ISM 2012 に出品した浅鉢です。
オチルさんの仏像の後ろに、光背のように立ててみたら格好良いんじゃあないか。と思い立ち
まあ、そうしてみたわけですが
とんでもなく風の強い日で、 100均 で購入した皿立ても樹脂製で…非常に軽かったし
品自体もかなり薄手だった為…風に吹かれて落ちて割れました。

お。
これは金継ぎを試せ。という暗示的なモンか。とビビッときたので
継いでみたわけです。


そう。
" 金継ぎ " と一口に言えど、その種類はおおまかに 2通り あります。たぶん。

ひとつは…割れたもの同士をくっつけ、修復する事
ひとつは…欠けた箇所を補修する事

修復と補修の意味の違いを正確に把握していませんが、なんとなくそんな違いがある気がします。
金継ぎ_b0161715_438565.jpg
浅鉢はくっつけ、修復するタイプで
上の花器は、穴を埋める為の補修です。

金継ぎ_b0161715_445076.jpg
くっつける際にはちょっとしたコツがあるようで、考えてみれば
なるほどそうだ。と納得できる…当たり前の事なんですけれど
まァ…どの欠片をどういった順序でくっつけると効率が良いか。
効率が良いか。と言うより… 3D パズルのようなモンですから
順序を間違えると、欠片を嵌められなくなる可能性があるので。

また
細か過ぎる欠片の場合は、先にそれらをくっつけ
ある程度の大きさにまとめてから作業をすると、スムーズに事が済みますね。
金継ぎ_b0161715_23235579.jpg
浅鉢に接着剤を塗布している間に、花器のほうが乾燥しました。

接着剤の箱に書いてある謳い文句にあるよう、確かに 5分 で接着能力はかなりのものですが
盛るように塗った事もあってか、硬くなりきるまでには 15分 ほどかかりました。

そして
次の作業が…余分な接着剤をヤスリで落とし切る。というものなので
硬くなりきっていないと都合が悪いわけです。


作業している私ってこんな顔面しているんですね。
起きてますよ。
金継ぎ_b0161715_2324108.jpg
初めてという事もありましたが、めっさ時間掛かりました。
肌がつるっとした品であれば、ペロリとキレイに剥がせられるらしいのですが
私の品は表面がザラッとしているので、んな上手い事いきません。

と、言うか
接着剤盛り過ぎました ^^;
無駄が多く、無駄な仕事量が無駄に増えてしまった感でいっぱいです。

次はきっと…もっと早くやれそうではあります。
金継ぎ_b0161715_23243155.jpg
ようやく全てを削り終えられました。
どんだけ。
ヤスリをかけまくったのか。

これら 2つ に…接着剤を塗布するところから 2時間 も掛かってしまいました ^^;
金継ぎ_b0161715_23244117.jpg
最終調整は耐水ペーパーを使ってやるそうですが、パーリングナイフとヤスリを使ったら
指でなぞっても違和感のないくらいにキレイに埋まったので、今回は割愛しました。
金継ぎ_b0161715_23245025.jpg
で。いよいよ。
かぶれにくくて乾くのが早い漆。というのがウリの、新うるしというものを専用のうすめ液で溶き
そこに真鍮の粉を投入。
混ぜます。

真鍮の粉の量で色味を調節するそうです。
金継ぎ_b0161715_2325191.jpg
あとは
接着剤を塗布した箇所に塗るわけですが、筆は使いません。
割り箸なんかをナイフで尖らせた道具を作り、その細い細い先っちょで
掬うようにしては…塗布したい箇所に盛る。といった感じでした。
金継ぎ_b0161715_2325899.jpg
wadさん 曰く
立体感がはっきり見て取れるほどに
盛った方が格好良い。だそうです。
金継ぎ_b0161715_23252055.jpg
浅鉢は欠片を紛失した箇所があり、パテで埋めてから色を乗せる事にしたので
後日 完成するとして。

花器は完成しました。
正面から。
金継ぎ_b0161715_23252841.jpg
最も大きく破った箇所。

これなら
もっと大胆に、そして格好良い破れを作ったならば
もっと面白いモンができるんじゃあねえか。と思いました

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by t_durden | 2012-05-05 09:28 | 陶芸 : CeramicArt